【完】君に惚れた僕の負け。
ーーポーン。
再び開いたエレベーターから住人が下りてきて、今度こそ乗る。
8階まであと15秒。
未だうっとりとした顔のそこの女。
そういうのはね、俺的に、そそられる。
「……さっきの、俺達もする?」
恋々の頬に手を当てると、一気に沸騰。
「す……っ、するわけないでしょう!?」
「したい」
「はぁ!?」
だってあんな恍惚とした顔で、キスシーン眺めてる恋々が悪いと思うよ。
憧れ全開。
だったら相手は俺でいいでしょ。
――ちゅ。