【完】君に惚れた僕の負け。
と、キスはキスでも頬にやさしくね。


俺は紳士だから。


――ポーン。


8階についてもなお硬直する真っ赤なこの人。



その手を引いて、808号室に入る。


玄関のドアが閉まった瞬間。



ばちんと音をたてて両手を頬にはりつけた恋々が叫んだ。




「ほっぺにチューされちゃった……!」



とんだ時差だな。



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