【完】君に惚れた僕の負け。
「ねぇなんでまだ赤いの?余計赤くなってるけど」
それは、あなたが近すぎるからです。
っていうのもなんか悔しい。
だって朱里くん相手にだよ……?
「さすが彼氏の一人もできたことない女だよね。かわいそ」
「そんな本気で可哀そうな目しないで!でも朱里くんだってそうでしょ!?」
どーせ彼女いたことないくせに!
「はぁ?」
目を眇めて睨まれている。
……ちょ。ちょっとまって!
余計に距離を縮められて、今あたしたち見つめ合っちゃってる……!
吸い込まれそうな目。その下でにやりと口元は弧を描く。
「カノジョくらいいたことありますけど。一緒にしないでくれる?」