チョコレート記念日Ⅱ~ホワイトデー編~


いやいや、落ち込んでる場合じゃない。


今日プレゼント見つけられないと、もうホワイトデーまでの1週間ゆっくり買い物に行ける日はないのだ。


来週、蘭の喜ぶ顔を見るためにも今日の所は我慢しなくては……。


そう考え直し、俺は駅に向かって歩みを進めた。



¯¯¯¯¯¯¯¯


「うわ、結構混んでるな……」


駅前に着くと、日曜日なだけあって人通りが多い。

人混みを避けつつ、俺は目当ての店に向かう。


これから行く予定の店には、学校帰りに何度か、蘭と一緒に訪れたことがある。


可愛らしい雑貨が置いてある小さな店で、ハンドメイドのアクセサリーなんかも置いてあった。


確か、前は、蘭の友達の誕生日プレゼントを買うのに付き合ったんだっけ?


「ここ、可愛い雑貨多くてすっごい好きなの」


と、楽しそうに蘭が話してくれたことを思い出す。


きっと、あの店なら蘭の気に入る品物があるに違いない。



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