チョコレート記念日Ⅱ~ホワイトデー編~
そんな期待を胸に歩みを進めた。
そして、あともう少しで店にたどり着くという時。
「……え!永山先輩!?」
「うっそ!ちょっと、ほら!明花、永山先輩だよ」
驚いたように俺の名前を呼ぶ数人の女子の声に咄嗟に振り返る。
「……えっと?」
……誰だっけ?
そう言いかけた言葉を飲み込み、俺は女の子たちの顔を順番に見た。
人数は3人。カラフルなショッピング袋を持っているのを見ると、皆で買い物に来たのだろう。
私服を来てるからよくわからないけど俺のことを先輩と呼ぶくらいだから、おそらく学校の後輩だよな。
嬉しそうに騒ぐ女の子2人に挟まれ、居心地悪そうにうつむいている子に目がとまる。
………あれ、あの子。