チョコレート記念日Ⅱ~ホワイトデー編~
小柄な姿に見覚えがあった。
確かあの子、俺にバレンタインの時チョコレートくれた……
ジッと、見ている視線に気づいたのか顔をあげた瞬間に、その子と視線が合った。
すると、
恥ずかしそうにまたも顔をうつむかせる彼女を見て確信した。
やっぱり、あの時のチョコレートくれた子だ。
「ほら、明花。永山先輩だって、声かけてきなよ」
「や、やめてよ。美琴!先輩びっくりしてるし……」
最後の方は、消え入りそうな声で何を言っているのかわからなかったが戸惑っているのは確かだ。
えっと……俺はどう反応すれば。
別に悪いことしてるわけじゃないのに、周りにせっつかれている彼女を見て、申し訳ない気持ちになる。