チョコレート記念日Ⅱ~ホワイトデー編~


気づいた手前、無視するのもな……。


一生懸命チョコレートを渡してくれた姿を思い出すと、気づかないふりをするのも気が引けた。


どうしたものかと考えていた時。


「永山先輩!私たち先輩と同じ学校の1年生です。私、羽山美琴って言います。それでこっちが笹木明花と石井るなです!」


痺れを切らしたのか一番、活発そうな子が俺に駆け寄りながら声をかけてきた。


「あ、うん…」


「実はですね!私たち先輩のファンなんです。ね、るな!」 


「はい!そうです!」


………!?


あまりにも直球な彼女たちに面食らってしまう俺。


「ちょっと、美琴!?」


慌てた様子なのは、チョコレートをくれた明花と呼ばれる彼女だけ。



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