チョコレート記念日Ⅱ~ホワイトデー編~
しかし、蘭は急に突き放されたことが不満だったようで。
「ちょっと…大地今度は急にはなさないでよ!危ないじゃん」
と、ご機嫌斜めだ。
「ゴメン、ゴメン。怒るなって、ほら」
蘭に向かって手を差し出しすと、
「………」
意外にも素直に彼女は俺の手を握り返してきた。
いつもと違う蘭の態度にドキッと、胸が高鳴る。
手から緊張が伝わらないように懸命に、自然なふりをした。
いつも通り、いつも通り…。
そう心で唱えながら俺は蘭を家まで送る。