チョコレート記念日Ⅱ~ホワイトデー編~
そんなこんな葛藤しながらも、ようやく蘭の家の前にたどり着いた。
とりあえず、よく頑張った、俺の理性!
自分自身を心の中で褒める。
「じゃ、明日学校でな。朝、また迎えに来るから準備しとけよー」
と、声をかけ、俺は彼女の手をはなした。
「うん、大地も寝坊しないでよ、遅れたらおいてくから」
「はいはい、わかってますって。んじゃ、また…」
"またな"
そう言おうとしたが、最後まで言葉にできなかった。
「……っ、」
一瞬、蘭の顔が近づいて、
気づいた時には、
唇が重なっていたから。
「…これ大事にするね、ありがとう」
唇がはなれて、ポカンと固まる俺に向かって蘭はそう呟くと、足早に自宅の玄関に向かって歩みを進める。
パタンと、ドアが閉まるのと同時に俺はその場にうずくまった。
「……だから、反則だって…」
あぁ、くそ。明日どんな顔して会えばいいんだ
そんな悶々とした思いが募るなか、俺はソッとため息をついたのだった。
☆pattern1 END