チョコレート記念日Ⅱ~ホワイトデー編~
え?どういうこと……。
恥ずかしそうにそっぽを向く先輩に、戸惑いつつも、あまり見られない先輩の表情に
ドキドキと、胸の鼓動が高鳴るのを感じた。
「な、なんでもないから気にしないで!少ししたらおさまるから!」
未だに視線を合わせてくれない先輩を今度は俺がジーッと、見つめる。
もしかして、今、押すときなんじゃないだろうか。
そう考えた時には体が動いていた。
「…わっ」
俺は先輩の細い手を軽く引っ張り、
「先輩、俺やっぱりあさみ先輩のこと好き」
耳元でそっと呟く。
ダメでもともと。これで無理なのであればキッパリと、諦めよう。
そう心に決めていた。