チョコレート記念日Ⅱ~ホワイトデー編~


え?どういうこと……。


恥ずかしそうにそっぽを向く先輩に、戸惑いつつも、あまり見られない先輩の表情に
ドキドキと、胸の鼓動が高鳴るのを感じた。


「な、なんでもないから気にしないで!少ししたらおさまるから!」


未だに視線を合わせてくれない先輩を今度は俺がジーッと、見つめる。


もしかして、今、押すときなんじゃないだろうか。


そう考えた時には体が動いていた。



「…わっ」 


俺は先輩の細い手を軽く引っ張り、



「先輩、俺やっぱりあさみ先輩のこと好き」



耳元でそっと呟く。


ダメでもともと。これで無理なのであればキッパリと、諦めよう。


そう心に決めていた。






< 62 / 84 >

この作品をシェア

pagetop