チョコレート記念日Ⅱ~ホワイトデー編~
「…ちょ、ちょっと近いって!」
先輩は、慌ててバッと体を離そうとするが、俺の力に敵うはずもない。
そのまま、ギュッと、腕の中に抱き締めた。
…小さいな。俺が本気で抱き締めたら壊れてしまいそうだ。
「……先輩、俺のこと好きになってよ」
ボソッと呟いた俺の言葉に、先程まで抵抗していた先輩の動きがピタッと止まる。
「ゆ、侑都くん…?どうしたの、大丈夫??」
いつもと違う俺の態度を心配してかあさみ先輩は、ソッと俺の名前を呼ぶ。
「先輩は、俺がからかって好きだって言ってるって思ってるだろうけど。違うから、一目惚れだったんだ。入学式の時、先輩見て…」
「…え、」
「だから、遊びとかそういうんじゃないからそこだけは勘違いしないでほしい」