チョコレート記念日Ⅱ~ホワイトデー編~
「…わかった、でも、萌花ちゃんにも用事あるかもだし、ちょっと連絡してみてからな?」
「うん!わかった!」
俺の言葉に紅葉は、素直に頷くと俺のスマホを覗き込む。
今、俺らの話題にあがっているのは、俺と同じ学校の後輩、一ノ瀬萌花ちゃん。
萌花ちゃんとは、ひょんなことから紅葉経由で知り合った女の子。
紅葉が怪我をしたり、絡まれた時にも身を呈して助けてくれたりなかなかパワフルな子だ。
見た目は、フワフワしてて可愛い感じなのに自分より一回り大きい相手にでも立ち向かっていく姿には驚かされた。
「お兄ちゃん、萌花ちゃんに電話して?僕もお話ししたいもん」
「え、電話…」
土曜日で休みだし、さすがにいきなり電話は迷惑じゃ
と、思ったのも束の間、
ポチッ
紅葉は、俺が開いていた萌花ちゃんの連絡先の電話マークを押していた。