山窩村
鉄平はニヤッと笑って私達に言うと、自分でもわかるほど顔から熱が一気に引いて莉音の両手を強く握った。
「だ、大丈夫だよね?本当にあの先に何かあるんだよね!?」
「わからないよ〜...つい勢いで言っちゃったの〜....」
その言葉で私は絶望し、そして想像をした。目の前に広がるパセリ料理とそれを食べる自分を。
莉音も同じような想像をしているのか、酷くガックリしていた。
私達はドボドボと守の後を着いていった。目の前には道路だけが拡がっていて、私は嫌になって地面に目を向けていた。
はぁ...まさかこんなに大したことのない心霊スポットがあるなんて....ネットに書いた人も書いた人だよね...こんなの心霊スポットじゃないって。
......何かの間違いで何かないかな〜。
「ん?なんだこれ?おい莉音、さっきの話ってマジもんなのか?」
私はその守の言葉にいち早く反応してバッと顔を上げた。守は少し先で道路とは反対の草木の先を見てポカーンとしていた。
私達三人はお互い顔を見合わせ、守の視線の先を見る為に守の元へ急いだ。
守が目にしていたのは赤黒い鳥居だった。所々色が剥がれ、明らか古い御札が何枚も貼られていた。その傍には苔が生えている古びた地蔵も存在していた。