山窩村
鳥居は大して大きいという訳では無いが、どこか不気味で鳥居の先には小さい山道が続いていた。
「ほ〜...結構雰囲気あるな....さっきのは嘘だと思ったけど、よくこんなのあるって知ってたな莉音。」
鉄平が関心していると、莉音は数秒遅れで反応して私達の前に移動して腕組みをしてドヤ顔をした。
「ふふ〜ん!凄いでしょ!私のリサーチ最強!!これで罰ゲームなしだからね!皆〜?私の演技に騙されたな〜?女優になれるよね私!!」
あまりのはしゃぎように私達はすぐに莉音が嘘をついていると悟った。
それにしても...こういうの奇跡っていうのかな?まさかこんな鳥居があるなんて。
私は見れば見る程取り込まれていくような鳥居を見つめた。どこかぼーっと見つめてしまう、明確な理由がないが何故か見とれてしまうような感覚を感じた。
「薫どうした?さっさと行くぞ?」
鉄平に声をかけられて、私はハッとしてすぐに自転車を鳥居前に停めた。
莉音は鼻歌を歌いながら鳥居の中に入り手招きして誘導した。明らかに心霊スポットを巡るようなテンションではなく、守は呆れながら後に続いた。
鉄平と手を繋ぎながら私もその鳥居の中に入って山道を登っていく。