山窩村
私、佐材 薫は毎日コツコツと課題を終わらせ、最終日までのプランは出来ているが、莉音は当然出来ておらず山のように積もっていた。
今日は学校で仲良くしている四人組で私の部屋で勉強会。だが、実際は莉音の膨大な宿題の処理会のようなもので、主役の莉音が怠けているのに少し呆れていた。
莉音の軽率な言葉に溜め息を吐き、眼鏡を中指で上げてだるそうに竜胆 守は莉音を見つめた。
「莉音...その台詞は去年も聞いたぞ。結局最終日徹夜漬けでゾンビになって学校へ来るのがオチなんだからさっさと取り組めよ。お前が始業式に宿題全部提出してきた試しがないぞ?」
「そんな事言わないでよ〜。でも、守が私と付き合ってくれるなら話は別だけどね〜。」
「怠けないで一生懸命に課題に取り組んだら考えてやるよ。少なくとも、俺はそんなダラダラしてる奴を彼女にしたいとは思わないね。」
そう言われ、莉音は気合い入れに頬を叩いてようやく鉛筆を握った。だが、意味不明な問題文に頭を傾げ、今にでも煙がたちそうになっていた。
「ぅぅぅぅ....意味がわかんないよこの文!何!?なんで点Pは動くの!?そのまま止まっててよ!」
「動かないと問題にならないだろ。ほら、頑張れ頑張れぇ〜。」
守はやる気のない拍手を送り、莉音はそれにムスッとしながら必死に問題文を読解していた。