山窩村
「守さん?なんで薫には何も言わないの?私とまんま同じこと言ってるんだけど。ひいきですか?あぁ!いじめだぁ!先生に言ってやろぉ!」
「何馬鹿な事言ってんだ。薫はお前と違って計画通りにやってんだよぉ。逆にお前は人を気にせず焦ろよ。今日お前の進行状況聞いてビックリしたぞ、何にも手をつけてないんだから。」
「だって折角の休みだよ!?なんで態々面倒臭い事しないといけないの!?もう本当にやだぁ...頭が破裂する〜。」
莉音は頭をかじり、イラつきながら教科書と睨めっこをしていた。その様子に呆れたのか、守は腰を上げて莉音のすぐ隣へ座った。
「どこ分かんねぇんだ?そこら辺俺は終わってるから教えてやるよ。」
「へ?あ、うん...えっと...ここかな?」
いきなりの接近で流石の莉音も顔を真っ赤にし、緊張気味に顔を硬直させた。そのわかりやすい反応にこっちまでドキドキしてしまった。
私達四人が出会ったのは高校一年の時だった。初めての高校生活で緊張気味だった私達は席が近く、グループになって行う授業の際、莉音が積極的に声を掛けてくれたのがきっかけだった。それから私達はよくつるむようになり、一年経った今でもよく四人で遊んでいた。