山窩村
「いや、単純に遅かっただけど...それにしても二人共何で早く行っちゃうのさ。私の部屋を片付けるのを少しでも手伝っても良くない?」
私は頬を膨らませながら聞くと、何故か二人共ニヤッと笑った。何で笑うのか分からず首を傾げると、莉音も二人の方に並んで同様の笑顔を向けた。
すると、鉄平はカバンからある小包を手に取り私に差し出した。
「え?何これ?」
「誕生日プレゼントだ。今日誕生日だったろ?俺達三人で買ったやつなんだ。」
「え!?悪いよこんなの!気持ちで十分だって!」
そ、そっか....私誕生日だったんだ...すっかり頭から離れちゃってた...
不意打ちのように貰った嬉しいサプライズに私は心から胸が踊っていた。ニヤけが止まらず、口元を必死に押えた。
「そんなこと言うなって、折角買ったんだからさ。ほら受け取って?」
鉄平は私の手を握ると、優しくその上に小包を置いてくれた。何が入っているか検討がつくわけではなく、私は心臓の高鳴りを感じながらゆっくりと開封していく。
茶色い小包を取ると、中から黒い長方形の箱が出てくる。ゆっくりとその箱を開けると中からは雫のネックレスがあった。
綺麗な青色で、雫の縁の銀色もキラキラと輝いていた。