山窩村
輝いている莉音の目を見て言うと、莉音は元気よく手を挙げて「は〜い」と子供のような返事をした。
私達四人は肝試し感覚でたまに心霊スポットを巡っていた。主に私と莉音が主体で動き、鉄平と守が何となく着いてくるという感じだった。
莉音が言っていた山沢トンネルは最近ネットに浮上してきたスポットで、私も少し気になっていた。
山沢トンネルの近くでは戦時中何人もの死体が埋まられた場所だったらしく、そこに行った人は誰かに見られてる感覚になるという噂だ。
「じゃあ明日五時に薫の家に集合ね!絶っ対に遅れないでよね!!じゃあ守、手を繋いで一緒に帰ろ〜。」
「...死んでもゴメンだ。」
守と莉音は楽しそうに喋りながら乗ってきた自転車を手押しして帰っていった。その姿を見ればどこからどうみたって付き合っているようにしか見えないのだが....
「あの二人、何で付き合わないんだろうな。」
鉄平はにやけながらボソッと私の隣で呟いた。
「うん。本当に不思議なくらいだよね。あんだけ仲が良くて、しかも莉音が告白してるのに...ねぇ、守から何か聞いてないの?」
「これっぽっちも無いな〜。何回か聞いてるんだが全部話を逸らされて....」