大人になんて、ならないで。
『ごめん、愛、今忙しくて…!』
聞こえた真優の声は、すごく焦っている様子だった。
「真優…あの、真矢くんのことで…」
『そう、真矢のことで…!
真矢がまだ帰ってなくて…!』
「あのね、真矢くんは今うちにいて…」
『……えっ、愛の家に?
なぁんだー!ならよかったー!』
電話から真優のホッとしたような声がして、相当心配していたんだと思った。
真矢くんってば…まず真優にちゃんと連絡しておこうよ…。
事の経緯を話すのは後にして、
とりあえず、真矢くんがご飯をうちで食べることと、うちに泊まることを伝えたら、
真優は『おっけーおっけー!』と上機嫌になっていた。