大人になんて、ならないで。
フライパンでピラフを炒めていると、
「おー、結構うまそー」
いきなり耳元で声がして、ビクッと反応してしまった。
炒めてる音で、真矢くんが私のすぐ後ろに近付いてきてたことに気付かなかった…。
チラ、と横を見ると、
真矢くんは首にタオルをかけて、学校のジャージ姿でそこに立っていた。
「あ、えびピラフ?
俺えび好きなんだよね」
「あ、そうなんだ…よかった」
パッと視線をフライパンに戻す。
そっか、急に泊まるって言ったから、着替えとかないもんね…。
学校のジャージ持っててよかったけど…真矢くんからしたらいきなりで迷惑だったよね…ごめんね…。