大人になんて、ならないで。



『今夜もミカのこと考えてね♡
おやすみ♡』




なんて文面まで、しっかり見えてしまった。



その瞬間に、



なんだかすごく…モヤっとした。



知らないフリをして、ご飯を食べてる真矢くんの向かいに座る。



時折テレビに視線を向けて、少し笑いながらピラフを頬張る真矢くんをじっと見つめた。




「……真矢くん」



「ん?」



「真矢くんは…好きな子とかいるの?」




自分もピラフをちびちび食べながら、真矢くんの返事を待った。




「……そりゃ、いるよ。
わかりやすいくらい、愛情表現してるつもりなんだけど」



「……そうなんだ」




夜にラインする仲。



おやすみを言い合う仲。



真矢くんは…



さっきの、ミカちゃんって子のこと



本気で……好きなの?





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