大人になんて、ならないで。



真矢くんって…やっぱり高校生らしくない。




「ごちそうさまでした」



「えっ、もう食べ終わったの?」



「高校生男子の食欲なめんなよ」




まだ半分も食べてない私に、「ゆっくり食べなね」と声をかけて、



真矢くんは空になったお皿を持って、キッチンの方へ向かった。




「ねぇ、洗剤ってこれ使えばいいの?」



「あ…!いいよ!
後で私が洗うから…!」



「お邪魔してんのは俺だから、
これくらいやるよ。
めぐちゃんは、食べたら寝る準備しなよ」




……私は子どもか。



む、と唇を尖らせながら、キッチンに立つ真矢くんの背中を見つめる。





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