大人になんて、ならないで。



……真矢くんと結婚する女の子は



毎日、こんな風に過ごすのかな…。



さっきみたいなこと、本当に子どもに言ったりするのかな。



いいパパになりそうだなぁ…。



……真矢くんに愛される人が…羨ましい。




「めぐちゃん」



「……ん?」




お皿を洗いながら、急に真矢くんが私の方に振り向いた。




「食器洗いは、俺の担当ね」




……うん?



さっき、聞いたけど?




「お言葉に甘えて、任せるよ」




真矢くんに笑いながらそう言って、ピラフを食べ進める。




「……今日の話じゃ、ないけど」



「え?なに?」




真矢くんが何かを呟いたのを聞き取れなくて、聞き返したら、



「なんでもないよ」と笑ってかわされた。





< 115 / 276 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop