大人になんて、ならないで。




「真矢くん、ごめん、お皿…」



「そこ置いといてー」




空いたお皿を持って、キッチンに立つ真矢くんの隣に行くと、真矢くんがちょっと明るい声で言う。



……ちょっと、上機嫌?



不思議に思いながらお皿を言われたところに置くと、真矢くんが嬉しそうに口角をあげた。




「なんで、笑ってるの?」



「いや…
めぐちゃんと夫婦になったら、
こんな感じなのかなって」



「…夫婦!?」




びっくりしてパチパチと瞬きを繰り返すと、



真矢くんがフッと、面白そうに笑った。




「言われ慣れてないのが丸わかり」



「……あ、当たり前だよ…!
言われるわけないじゃん…!」




彼氏もいないのに!!





< 116 / 276 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop