大人になんて、ならないで。
「真矢くん、ごめん、お皿…」
「そこ置いといてー」
空いたお皿を持って、キッチンに立つ真矢くんの隣に行くと、真矢くんがちょっと明るい声で言う。
……ちょっと、上機嫌?
不思議に思いながらお皿を言われたところに置くと、真矢くんが嬉しそうに口角をあげた。
「なんで、笑ってるの?」
「いや…
めぐちゃんと夫婦になったら、
こんな感じなのかなって」
「…夫婦!?」
びっくりしてパチパチと瞬きを繰り返すと、
真矢くんがフッと、面白そうに笑った。
「言われ慣れてないのが丸わかり」
「……あ、当たり前だよ…!
言われるわけないじゃん…!」
彼氏もいないのに!!