大人になんて、ならないで。
「ま、慣れてたら俺が死ぬけど」
「え?」
「……言われるのは、俺だけにしてね」
面白がってると思ったら、今度は不安そうな顔をする。
真矢くんの本心は……なに?
私のこと…特別に思ってくれてる?
怖くて……聞けないけど…。
「じゃあ、あとはやっとくから、
めぐちゃんは早く寝な?」
「……」
真矢くんは私からお皿に視線を戻して食器洗いを再開する。
そんな真矢くんのジャージの裾をつまんで、くいっと引っ張った。
「……ん?」
「………ない」
「え?」
「隣にいてくれないと…寝れない…」
真矢くんが、寝るまで隣にいてくれるって言ったのに…。
いてくれないと、またモヤモヤ真矢くんのことを考えて、眠れないよ。