大人になんて、ならないで。
嫌な予感がして、部屋のドアを開ける。
目の前に現れたリビングのソファーに、横になっている人の影。
……嘘。
「……真矢くん…」
私…
なんで真矢くんをソファーに寝かせてるの!!?
バカ私!!真矢くんの布団準備してないとか!!
わがまま言って泊まってもらったのに…
真矢くんからしたら、こんな仕打ちないよね!?
ソファーに置いてあった膝掛けにくるまって、小さく丸まっている真矢くん。
冬に向かっている気候の夜は、寒いに決まってる。
バタバタと急いで自分の部屋に入り、毛布と布団を持ってリビングに戻る。
丸まっている真矢くんに、毛布と布団をかけ、
そしてまた自分の部屋から別の毛布を持ってきてそれをかけた。
これでもかってくらい真矢くんを暖めようとどんどん増やしていくと、
「……う…うぅ…」
下の方から呻き声が聞こえた。