大人になんて、ならないで。
お弁当作りの他に、洗濯物を干したり、朝ご飯の準備をしていたら、あっという間に時間が過ぎていき…
出社するまでまだ時間はあるけど、二度寝をする時間もないから、どう時間を潰そうか悩んでいた。
……そうだ。
真矢くん、ちゃんと眠れてるかな…。
夜はきっと、寒くてしっかり眠れなかったと思うから…。
真矢くんの眠るソファーに近付く。
……しまった。さっき起こした時、ベッドに移動してもらえばよかった…。
ソファーだと、寝にくくないかな?
ちゃんと、眠れてる?
少しウェーブがかったサラサラの髪を撫でると
真矢くんが「ん…」と声を出す。
寝ぼけたように、うっすらと目を開けて…
「ん……めぐ…」
「!」
普段は“めぐちゃん”って呼ぶのに
眠そうな気怠げな声が、それを余計に色っぽくさせて……。