大人になんて、ならないで。








「ごめんってば。
ちょっとからかっただけで怒らないでよ」




着替え終わった真矢くんと、向かい合って朝ご飯を食べる。




「…何回目よ!私のことからかうの」



「……だってさぁ、
オトナぶってるくせに、俺の冗談本気にしちゃうとこ…かわいいんだもん」




……ほら、バカにしてる!




「ていうか、
高校生のガキの体見て、赤面しないでよ。
本当は期待してるの?」



「なに、期待って…」



「俺に抱かれたいな〜…とかさ」




クス、と面白そうに笑う真矢くんは、



昨日の、余裕がなさそうな表情はどこへやら…ただ私をからかって楽しんでる、子どもに戻っていた。




「……真矢くんなんて、嫌い!」




朝ご飯を急いで食べて、ドスドスとわざとらしく足音を立てながらキッチンへ空いたお皿を持っていった。





< 131 / 276 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop