大人になんて、ならないで。
「……!」
「充電完了」
「…へ!?」
「続きは……夜にしよっか」
「〜〜っ!?
……しない…っ!!」
真矢くんはフッ、と笑うと、
お弁当を丁寧にカバンに入れ、
『そろそろ行くね』と言って、玄関の方へ歩いていった。
……あ!私も行かないと!!
スマホの時計を見ながら、バタバタと急いで準備をして、私も家を出た。
……今日の夜、きっと真矢くんが弁当箱を返すためにまた会うことになる。
私はそれが…今から少し、楽しみで。
会社までの道を、鼻歌を歌いながら歩いた。