大人になんて、ならないで。
「部長はただ、体調が悪化して休まれたくないから、
気にかけてくれただけだよ…」
「でも、おんぶはないじゃん。
あの人、車で通勤してるんだし…車で送った方がいいに決まってる」
「あ、そっか」
そういえばそうだ。
全然気にしてなかったけど…わざわざ徒歩で送ってくれなくても…。
決めた人しか、車に乗せたくないとか?
「……予想以上に、真矢ピンチ?」
「え?なに?」
「いんや、なんでもない」
そう言った真優がまたお弁当を食べ始めた時、
私はようやく、昨日真矢くんにしたことを報告した。
そしたら真優は、そんなこと気にしてない様子で…
『真矢にしては頑張った方じゃん』と、よくわからないことを呟いていた。