大人になんて、ならないで。
───コンコン
「失礼します…」
ノックして、ゆっくりと扉を開けると
少し埃っぽい資料室の、小さな窓を開けている三好部長が目に入った。
「ごめんね安井さん。
こんな埃っぽいとこに呼び出して」
「いえ…なにか探し物ですか?」
「ううん、そういうのじゃないから」
作業用か、部屋の隅に1人用の机と椅子がある。
部長は私に、『そこに座っていいよ』と言ってくれて、お言葉に甘えて座らせてもらった。
「ここで何か仕事を…?」
「そういうのでもないよ。
ここ、どういう場所か知ってる?」
……どういう場所、って…
どう見ても資料室…ですが?