大人になんて、ならないで。
……鈍感…
いや、わかんないでしょ…人の気持ちなんて。
言葉にしなきゃわかんないよ。それが普通でしょ。
「まぁいいや。
焦る真矢も、見てて面白いし」
「ん?」
「なんでもない。
あ、今日うち来るんでしょ?
真矢に弁当箱返してもらわないとだもんね」
うん。だから一緒に帰ってるんだけど…。
なんというか…真矢くんに会うってだけで緊張してしまってる自分が、情けない。
昨日も一昨日も会ってるけど、それはいきなりだったし。
これから会うんだって構えてると、こんなに緊張するものなんだな…。
まだ真優の家に着いてもいないのに、歩きながらドキドキが増していく。
すると突然、真優のスマホが着信を知らせた。