大人になんて、ならないで。
真優に手を振って、自分の家の方へ歩く。
その途中で、高校生の男の子2人が歩いているのを見つけた。
あの制服…真矢くんと一緒だ。
学校は終わってるけど、やっぱり真矢くんには用事があるんだろうな…。
そんなことをボーッと考えていたら、
その男の子の1人が、「あ!」と声をあげた。
「おねーーさーーーん!」
その男の子はこちらに向かって手を振っていて、思わず辺りを見回した。
「…??」
近くには誰もいない…
もしかして、私を呼んでる?
自分を指差して首を傾げると、
男の子がうん、と頷いて、こちらに向かって走ってきた。