大人になんて、ならないで。
「お姉さん!
一昨日ぶり!」
「……あ!」
近くに来て、人懐っこい笑顔を浮かべた男の子が、
一昨日、真矢くんと話していた男の子と重なった。
「成也くん!」
「そー!アタリ!
覚えててくれたんだ〜!」
ニコニコと笑う成也くんの後ろから、
もう1人の男の子が走ってきた。
「成也…いきなり走ってどうしたんだよ」
こっちの男の子は、一昨日にはいなかった子だ。
「このお姉さん、“真矢の弱点”」
……真矢の弱点??
「あ、この人が…!
初めまして。
真矢の友達の健斗です」
2人がなんの話をしてるのかわからなかったけど、
成也くんの言葉を理解した健斗くんが、ペコ、と私に頭を下げた。