大人になんて、ならないで。
さすがに真矢くんと同じ男子高校生だ。
私よりもはるかに早く、2人は食事を終えていた。
「早いね、2人とも」
「高校生男子の食欲なめてもらっちゃ困る」
言うことも真矢くんにそっくりだ。
「気にしないでゆっくり食べていいっすから」
「ありがとうね」
目の前にあるカルボナーラをフォークにくるくると巻いていたけど、
その手を止め、さっき真優と別れる時から気になっていたことを、眠そうにあくびをしている2人に聞いてみた。
「あの…真矢くんのことなんだけど」
「「ん?」」
「真矢くん…どうして今日は帰りが遅いの?」