大人になんて、ならないで。




「また、キスしてやろうか」



「……っ!やだ…!」



「……じゃあ…
どうしたら伝わるんだよ…」




小さく呟かれた声。



涙がこぼれそうなくらい、悲しい顔。



真矢くんの額が、私の額にぶつかる。




「……真矢く…」



「遊びなんて、思ったことない。
からかってなんていない…
俺は、いつだって…」




真矢くんの熱っぽい視線が、至近距離でぶつかる。




「………子ども扱いするめぐちゃんに、なにを言っても無駄かな」




怒ったように眉間にシワを寄せ、トンッと私の肩を押した。




「……俺でいっぱいになるまで、許さない」



「……え…」



「俺が必要だって、
そう思ってくれるまで、許さない」





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