大人になんて、ならないで。
不安な気持ち*真矢side
「真矢、ご飯…」
「いらない」
「真矢…」
開けられたドアの向こうから姉ちゃんが顔をのぞかせ、リビングからテレビの賑やかな音が聞こえる。
普段は好んで見ているバラエティ番組の音声も、今はすごく耳障りで、顔まで布団を被った。
……イライラする。
めぐちゃんに、『必要ない』と言われて、
『勝手にしろ』なんて言ったから、ぶつけることのできないイライラが日に日に募っていく。
……あんなこと、言わなきゃよかった。
言わなきゃよかったって思うけど、なにもわかってないめぐちゃんにも、どうしようもなくイライラした。
俺がどれだけ…
めぐちゃんを好きか。
全然、わかってない。