大人になんて、ならないで。
めぐちゃんの家にお邪魔したことは、実はあんまりない。
ただ、下校ルートをめぐちゃんの家の前を通るように勝手に決めてる。
……本当は遠回りだけど。
いつも学校が終わったら寄り道して時間潰して、
めぐちゃんが帰宅する時間を過ぎてから帰る。
めぐちゃんの部屋の明かりがついてるのを見て、
あぁ、めぐちゃんがそこにいるんだって愛しく思いながら歩くんだ。
……こんなの、ストーカーだよな。
めぐちゃん……今何してるかな。
家でお酒でも飲んでるかな…だったら姉ちゃんと飲めばいいのに。
心の中で悪態をつきながら歩いていると、めぐちゃんの住むアパートに着いた。
……あれ?
電気、ついてない…。