大人になんて、ならないで。
*
「今どき受験なんかを理由にフるとか
男じゃね〜ってんだよ〜!」
「愛、飲み過ぎだって」
「まだいけるんらから〜!!」
「いや、高校時代の話を延々と聞かされるこっちの身にもなって!?」
高校時代からの付き合いで職場も同じ、親友の真優と一緒に、金曜の夜を居酒屋で過ごす。
いつもこの後、真優の家に行って泊まるのがお決まり。
ただ今日は、少し飲みすぎてるみたいだ。
頭がふわふわする…。
顔も熱い…。
頭がまわらなくて、今なにを話してたのかもあやふやだ。
「うぅ〜ん…
先輩ゆるすまじ…」
「……愛?
ちょっと、愛!
寝ないで!」
「ぐぅ……」
私の、金曜日の記憶は
居酒屋で終わっていた。