大人になんて、ならないで。
枝豆をパクパク食べながら、真優は眉間にシワを寄せた。
「……枝豆、嫌い?」
「違うわよ。めっちゃ美味しいわ。
……ここ最近の真矢を思い出してイライラしただけ」
そう言う真優は更にイライラしてきたのか、
私のお皿に入れていた枝豆を一掴みして奪った。
「あ、私の…!」
「うっさいわね!
愛のせいでコッチはストレス抱えてるのよ!」
……なんで、私のせいなんだろう?
真優を怒らせるようなこと、しちゃったかな…。
真優の機嫌がなおるなら、枝豆くらい譲ってあげよう…。
「……真矢の様子が知りたいなら、
愛から教えて」
「え…」
「真矢を避けてる理由。
あんた、真矢に何言ったの?」
真優には全部お見通しみたいで…
ドン、とわざとらしく音を立ててビールのジョッキを置き、私を睨んだ。
うぅ…姉弟揃って美人なので、目力が半端ない…
睨むと怖すぎるよ…。