大人になんて、ならないで。




「……真矢くんに、
『もう会わない』って言った」



「なんで」



「……振り回されたくなかったから」




意味もなく、枝豆の皮をしきりに指で擦る。



俯いたままの私を見て、真優がはぁ、とため息をついた。




「……なんで、突然そんなことを?
今までもずっと振り回されてる部分はあったじゃん」



「………そう、なんだけど…」




突然と言われれば、突然だ。



真矢くんからしたら、いきなりって思うよね。



私だって、その直前までは…そんなこと考えてもいなかった。



何が、あんなこと言っちゃった原因かって…



そんなの、言えるわけない。






大人のくせして、『高校生にヤキモチ妬いた』なんてさ。





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