大人になんて、ならないで。
翌朝。
カバンに、薄いピンク色の封筒を入れ、家を出る。
……私から連絡するのは、やっぱり出来なくて。
さっき急いで手紙を書いて、真優の家のポストに入れることにした。
真優の住むアパートに着いて、エントランスにある集合ポストにそっと手紙を入れた。
……真矢くん、気付いてくれたらいいけど…。
ぎゅっとカバンの紐を握って、アパートを離れ、歩き出した。
……鋭い視線が向けられていたことに気付かずに。