大人になんて、ならないで。



怒りを含んだ顔で、マフラーも押し返された。



……真優が言ってたの、こんな真矢くんだったのかな。



ちゃんと話しなかったから…こんな風になっちゃったの?




「……真矢くん」



「………」



「昨日…ここに来てくれた?」




ずっと、待ってたんだよ。



待ってる間に、真矢くんは来てくれなかったけど…



夢の中で…来てくれたような気がして。




「………都合のいい妄想してんじゃねーよ」




冷たく吐き捨てられた言葉に、「ごめんね」とだけ返した。



……声、震えちゃったかな。



今までずっと優しかった真矢くんが、急に別人みたいに冷たくて…涙が出そうになる。



でも…こうなったのもきっと、私のせいだから。





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