大人になんて、ならないで。
「私ね…ずっと待ってたんだ。
会わないって自分で言ったのに…勝手だよね」
へへ、と笑って、返されたマフラーをぎゅっと握った。
「……私ね。
あの日真矢くんが…女の子といるって成也くんたちから聞いて」
「……え…」
「なのに、私にすごく怒ってて…
あぁ…きっと女の子といたかったのに、私に会わなきゃいけないのが嫌だったのかなって…」
私に会う時間が、嫌でしかたなかったのかなって…。
「……っ、違う!
あの日機嫌が悪かったのは、めぐちゃんが成也たちといたからで…!」
「……あぁ…そうだよね。
大切な友達が、私と関わったりしたら嫌だよね」
「違う、そうじゃなくて…!「大丈夫」
真矢くんの言葉を遮って、
ニコッと笑う。
「もう関わらないから、大丈夫」
「めぐちゃ…」
「真矢くんとも、関わらないから」