大人になんて、ならないで。
『いたいのいたいの、とんでけ〜』
『……ふ、あはは…!』
大きなくりくりの瞳が、まっすぐに私を見てる。
天使みたいで。
なんで泣いてたのかわかんないくらい、すごく愛しい気持ちが溢れた。
『ありがとう真矢くん。
もういたくないよ』
あっという間に涙が引っ込んで、ニッと歯を見せて笑った。
天使の真矢くんは左右に目を泳がせた後、上目遣いで私を見て。
私の頭を撫でてた小さな手が離れて、タタタッとどこかへ走って行った。
あらら…どっかに行っちゃった…?
ただ、真矢くんの優しさが嬉しくて、えへへ、と撫でられた頭を触った。
その時、バッと目の前にお花が現れた。
『わ!』
これ、コスモス?
花から視線を上に向けると、
まっすぐに私を見る、真矢くんと目があった。