大人になんて、ならないで。




「……マジでな」




寝転がったまま、横を向いた状態で真矢くんが眉間にシワを寄せた。




「……もらいゲロしそうだった」




片手を口に当てて、おえっ、と吐くような動作をする。



本当に申し訳なさすぎて、また正座して真矢くんに頭を下げて謝った。




「ごめんなさい…」



「別にいいよ。怒ってないし」



「……本当にごめんなさい…」



「そんなに謝んないでよ。
俺もめぐちゃんには申し訳ないことしたからさ」




体を起こさないまま、真矢くんは私が着ているTシャツの襟に指をかけて。



そのままクイっと自分の方へ引き寄せた。




「わ…!!」



「めぐちゃんは、
なんでそんなに無防備なの?」





< 24 / 276 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop