大人になんて、ならないで。
それなのに。
「まだ私の中から、消えてくれません…」
真矢くんが…
消えない。
最後の……泣きそうな顔で、私に手を伸ばそうとした、真矢くんの姿が。
ずっと焼き付いて離れない。
「忘れることくらい、簡単だと思ってました…。
でも…忘れられない…っ」
いつからこんなにも、自分の中で真矢くんの存在が大きくなっていたんだろう。
部長のことを考えようって思っても…
いつも頭の中にいるのは、真矢くん…。