大人になんて、ならないで。
「部外者だから…入っちゃダメでしょ…」
「店長には言ってあるから平気」
「……」
「それより、
俺昨日のこと、納得してないんだけど」
ぐいっと肩を支えていた手を引き寄せられて、真矢くんと顔がぐっと近付いた。
「……な、納得…って、」
「言ってたよな、
『真矢くんにとって私はその程度の女』だって。
勝手に決めつけてんじゃねーよ。
なんだよ、“その程度の女”って
こんなに、大切で、大好きで、
誰にも渡したくない人のこと、
『その程度』って思ってるわけねぇだろうが」
今度は真矢くんが自分の足に私を座らせて、
ぎゅっと私の腰を引き寄せた。
「ひゃっ…!」
「誰にも触れさせたくない」