大人になんて、ならないで。
耳元で甘く響いた声に、力が抜けて。
真矢くんに体を預けるようにもたれかかった。
「いつになったら、子ども扱いやめてくれる?」
「え…」
「俺と結婚するんだろ。
他の男なんて…見てんなよ」
「真矢く……」
「約束、覚えてくれてたんだな…。
忘れたなんて言わせないよ」
真矢くんが、ぎゅっと強く私を抱きしめる。
「めぐちゃんから不安を取り除くことは、俺には難しいよ。
悩むこと、いっぱいあると思う。
でもさ……他の男にとられるとこ、黙って見てるなんて出来ない」
「……真矢く…」
「めぐ………愛。
……好きだ」