大人になんて、ならないで。
ぎゅうっと強く抱きしめる。
大好きだって、伝わるように。
「真矢くんが私のこといつか飽きちゃうかもしれないって…っ、
他の女の子のこと、好きになっちゃうかもしれないって…。
そんな子どもみたいなヤキモチ妬いて…恥ずかしくて言えなかった…っ」
大人になりたかった。
真矢くんが誰といても、平気な顔で、我慢できる大人に。
でもそんなこと、出来るはずなかったんだ。
「大人ぶっても、私…すごく子どもで…
ヤキモチも妬くし、真矢くんは私のこと必要としてないんじゃないかって思って…拗ねてた…」
「……俺と一緒じゃん」
真矢くんが、優しい声でそう言って頭を撫でる。
「背伸びして、強がって…
真矢くんとお別れするって言ったくせに…っ、
頭の中…、真矢くんのことばっかり…っ、
好きで……っ、誰にも渡したくなくて…っ」